2020年09月28日

『「超」入門!論理トレーニング』

『「超」入門!論理トレーニング』横山正彦

何と言うか目から鱗の名著。
45年以上も英語と付き合って来たのに、ここに書かれていることは新鮮だった。

「現代国語」は日本が明治で西洋化した時に作られた。
西洋の言葉、1万語を日本語として新たに造り出した。
それによって、オール日本語で西洋の学問を取り込むことができた。

「日本は大学でも、母国語だけで学問できる稀有な国である。」というのは聞いたことがある。
他の東南アジアの国では、大学レベルの学問を学ぶための言葉が母国語にないので、大学での講義、文献は必然的に英語となる。だから東南アジアの大学卒業レベルは普通に英語が話せる。然るに日本の大学生は?ということである。
それは明治維新後の日本語改造によって得られた利点であり、日本人を世界一英語が話せない国民にした元凶なのだ。
しかし、日本語で全て論理的な組み立てをすることは不可能であり、
非論理的な構造をかかえてままの日本語化によって、学問で使う日本人の日本語は論理的ではなくなった。

英語の構成は「クレーム」「データ」「ワラント」である。
この構造でディベートを行うので、議論が発展し深まる。
一方日本語は、言わないことが花であり、忖度し、あうんの呼吸で分かり合い合意することが美しい。

これはあくまでの違いであって、日本や日本語を貶めるつもりはない。(筆者もそう)
だが、その違いを理解しないと、日本語を単に英語に直すだけでは、国際社会で理解してもらえない。
日本人が何を考えているかわからないと言われる所以である。

また、海外生活が長い人を「日本人らしくない」と感じることが多いが、それは、発想や会話が「英語で会話するような論理的な思考」になっているからなのだろう。確かにそういう人と話をすると、ちょっと疲れるなとか、ドキッとするような発言されたことを思い起こせる。その人に悪気があるわけではなく、普通に会話しているだけなのだが、日本人はそれをネガティブな印象を持ってしまうのだろう。
こういう背景を理解せずに付き合うと、疎遠になってしまうことだってあるのかもしれない。残念なことだ。

自分自身はというと、日本人よりも論理的であるものの、英語のようなディベートは苦手である。
ただ、IT業界が長かったからか、お客に対してベンダーという弱い立場にいたからなのかわからないが、「データ」を重視するということは平均的日本人よりは、はるかに意識をしているだろう。また「クレーム」に対して、自分自身も「何故」と問い返す習慣はついているし、他人と議論する時も「何故」を連発する。

そのような自分を回りに人はどう感じているのだろうか?
うっとうしく思っている人もいるだろうな。ちょっと前にカチンと来た会話を思い出した。(その話はまた別で)

しかし、そういう思考のトレーニングができていない人も多い。
著者が主張するような思考の訓練を積んだとして、周りの人達とどのように接していくのか?
それもまた課題となる。

もう一つ、私自身は日本人以上に論理思考のトレーニングを受けているつもりであるが、外人とはぶつかることが多い。
いつもというわけではないが、これについても考察してみたい。











posted by しもす at 00:00| Comment(0) | 教育

2020年09月27日

『人生の勝算』前田裕二

凄い人だなと思う。

小学生で両親を無くし、ストリートミュージシャンとして金を稼ぐことを覚え、UBS証券に入社。
日本でトップクラスの成績を上げ、2年目にNY転勤し、そこでも稼ぎまくり同僚をぶっちぎりにする。
3年で退社し、DeNA入社、SHOWROOMを立ち上げ社長となり、軌道に乗せるも、その時未だ20代。

恐ろしいな。
情報やエンターテイメントの限界費用がほぼゼロとなった現代において、人から抜け出るアイデアを生み出し、事業にするなどなかなかできるものではない。参入しやすいが、抜け出る可能性はゼロに近い。
そんな世界でしかも20代で頭角を現すなんて、本当に凄い。

しかもなよっとしたゲーマーみたいな風貌で、堀江貴文のようなどや顔ではない。
欲というものが顔に現れていない。まさか自然体なのか?

SHOWROOMかGoogleを超えて世界一を目指すと宣言する。

でもなぜアイドルなのか?そこが非常に残念。
彼のような才能があれば、環境問題を解決するとか、日本経済を立て直す秘策を打ち出すとか、そういう分野にエネルギーを注げないのか?アイドルを売り出してどのように世界を変えるのか?

彼のアイデアが小学校の時の原体験をもとにしているからなのだろうか?
小学校でギターの弾き語りを成功させた原体験がSHOWROOMのコンセプトなのだろうか?
でもまだ20代である。マークザッカーバーグがハーバード大学の女子学生人気投票をするために大学名簿をハッキングしたことからFacebookが始まったのだから。





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posted by しもす at 11:05| Comment(0) | 日常

2020年09月25日

『ユーチューバーが消滅する未来』

『ユーチューバーが消滅する未来』 〜2028年の世界を見抜く〜 岡田斗司夫

このような本を読むと著者の年齢と著作年を見てしまう、というか見ないとメッセージが全く異なる場合がある。
この著作は2018年。これがIBMのディープブルーがチェスのチャンピオンを破った時代であれば、すでに時代遅れのAI論であり、ワトソンがジョバティでチャンピオンを破った頃にしても、またやや古いAIの時代である。
ジョバティのワトソンは未だ統計処理の時代であるが、ディープラーニングになってからは格段の進化を遂げている。
シンギュラリティがAIが魂を持つかの如く語られているが、人間の「魂」も生化学反応が人間に「思いこませている」ものかもしれないと考えれば、AIが魂を持つか持たないかという問いは意味を成さない。

岡田斗司夫と言う人は1958年生まれ。衝撃である。60歳の頃にこの本を書いたということか。
バズワード満載と軽いノリ。ヒトの職業が全部AIに奪われる、どうやって進路を決めるのか!?
という深刻な問題はよそに、とにかく新しい時代を楽しんで、
2次元の彼女を生涯の連れとしたり、AIに政治家をやらせたり、
ユーチューバーはAIが発信し、そのうち視聴したりコメントしたりするのもAIになる。

楽しいかどうかは別にして、悲観しても幸せにはなれない。
特にアナログネイティブ世代には信じられない時代になるだろう。
そんな中、60歳のおじいちゃんがこういう主張を元気に発信ししているというのは面白い。

posted by しもす at 00:00| Comment(0) | 読書