2021年03月08日

みずほの障害について

またみずほ銀行で障害が起きた。

起きたのが月末でATMの需要が高い・・・
週末で初動や店員の対応が遅れる・・・
ATMが顧客のカードや通帳を吸い込んでしまい、顧客が諦めて帰ることもできない・・・

4000億もの金をかけてこんなトラブルシステムしか作れないのか?
企業体質に問題があるのではないか?

と世間、新聞は袋叩きだ。

なぜシステムが障害を起こすと新聞は喜んで袋叩きにするのか?
システムというのは一つの複雑な生命を作る作業に似ている。
現実生き物であれば、様々な病気、けが、攻撃に対して、防衛本能や自然治癒能力が働き一定の均衡状態を保つことができる。
そうしないと死んでしまうからだ。防衛本能は数億、数十億年もかけてDNAに引き継がれたものだ。神のような知性が働いて創られるものではない、誤ったプログラムは生き残ることができず、気の遠くなる期間をかけた、淘汰という自然界のデバッグによって創りだされたものである。

システム構築は、自律して動く生命体を生み出し、しかも全ての防御力を予めアルゴリズムに組み込んでおかないといけない。これは神の領域ではないのか!?


どうして定期預金のデータ移行が失敗するとATMがカードを吸い込んでしまうのか、その因果関係はわからない。
度の悪い眼鏡を掛けていると頭痛がするのは何となく理解できるが、磁気ネックレスをするとのスポーツの成績が上がることの因果関係はわからない。(わかると思っている人もいる)

「どうして定期預金のデータ移行をするとATMがカードを吸い込むんだ?きっとみずほのシステムを作ったやつらは、4000億もの金を遊びに使って、まともな仕事やってなかったんだ」、などと調子に乗ってツイートしている奴らに限って、藤波も効くと言っているからと言って磁気ネックレスをスポーツ店で買っている奴らだろう。


その理由は次第に明かされるだろうが、日経新聞だけの報道では、定期預金の移行によってシステムに負荷がかかり、負荷を下げるために勘定系システムとATMなどの入出力チャネルをつなぐハブを一系統停止、停止されたことによりATMが機能しなくなった。ATMがカードを吸い込んだまま停止したのは何らかの「防衛策」だったということである。処理が途中で停止した場合、カードや通帳を吐き出すか、ATM内に留めておくか?

それも様々な議論や過去の細かい障害という経験を経た仕様なのだろうと思う。
カードや通帳をその場でATMから吐き出すことは可能だろう。ただ敢えてそうしなかった理由があるはずである。
あってはいけないことはカードや通帳が本人以外の第3者の手に渡ることである。
例えば、1枚のカードを他人に渡すことと、100人の顧客を4時間ATMの前で待たせることのどちかが起きるとすれば、あなたはどちらを選択するだろうか?マイケルサンダースのような質問だが、銀行のシステム部長は恐らく後者を選択するだろう。そもそも信用失墜の度合いが違う。銀行が不正に手を貸してはいけないのだ。

今回のトラブルは花粉などに必要以上に反応するアレルギー反応のようなものだ。本来であれば人間の身体を外敵から守るための抗体反応なのに、今や人間を苦しめている。

もう少し真実の報道を待つことにする。

posted by しもす at 00:00| Comment(0) | 日常

2021年03月07日

ワカタケル

『ワカタケル』池澤夏樹

小説を読むのは何年振りだろうか。最後に読んだ小説が何だったかも忘れてしまうくらい昔のことだった。
この小説は昨年、日経に連載されており、読んだり読まなかったりしていたものだ。
単行本出版でわかったことはだいたい3割くらいの後半の部分を読んでいたことになる。
と言っても、完結部は読んでいない。

古墳時代の頃を描いた小説というのも初めてのことだ。
漫画なら山岸涼子で読んでいた世界観である。

21代天皇と言われる雄略天皇の父がなくなってから話が始まる。
まずクニを引き継ぐために、親類や兄弟を殺す。この世界では政略で肉親を殺すことは悪ではない。
クニ治めのためには必然なことである。
政策を大王に進言する巫女、物の怪、先祖の霊。それが日常に跋扈する世界観が何とも言えずに爽快である。

戦地に向かう船の上や、死に逝くものたちへの手向けとして歌を詠む。
殺される身の女が、ワカタケルに歌を詠む。その歌が秀逸ということで死を免れる。
実に風流だ。
こんな世界観が他の世界史のどこにあろうか。
神話の世界と境の無い「史実」が存在する日本という国が本当に面白い。

posted by しもす at 00:00| Comment(0) | 読書