2021年06月28日

仕事人生のリセットボタン

『仕事人生のリセットボタン』末為大・中原淳

未だ前書きしか読んでいないけど、思うところがあったので、綴ってみる。
まず時代認識。
定年が延び、人生の中で働く時間が否応なしに延びているという時代。
それに加えて、将来の安定が約束されていない時代。
それらが同時に立ち現れている「未曽有宇」の時代に我々は生きているということ。

ここまでは様々な本、メディアに書かれていること。
ただ、ほとんどの日本人は真剣に理解していない。
また理解していても、どうしようもないと諦めているのか?

社会保障の問題は1人がどう頑張っても、変わるものではないし。
選挙で投票しても、結果は変わらない。
だからと言って自己啓発する時間もお金もなし。

私はもう仕事人生でリセットボタンを押すタイミングだといのはわかっていたし、(少し遅かったのかもしれないが)
現時点の判断としては、間違っていない。

ただ、今30〜40代とした同じような行動を起こしていたかは疑問である。

日本人の大多数のサラリーマンがそれなりに、一生同じ会社で働く。
転職したとしてもチャレンジというよりは、より安全で快適な職場への転職を望む。
転職で失敗するよりは、何もせずにじっと待って安泰に過ごした方が良いに決まっている。

どんなニュースが流れようが、周囲の人間が安全志向が多数だから危機感は薄い。

だからサラリーマンの悲哀な人生をいくら語っても若い世代には届かない。
そこで、30歳〜40歳までに一つの職業・人生を終えると運命付けられた人、
終わってしまうには早すぎる、なんからの仕事をして次の人生を全うしないといけない人達にフォーカスを当てる。
肉体の定年退職となるアスリートの運命である。
しかも彼らは、その道の世界を極めるため、他の生き方を見ず、いろいろなことを犠牲にしてきた人たちである。
それが突然、肉体年齢が限界だからと言って、アスリートの世界に別れを告げなければならない。
それは現在働き盛りのサラリーマンが、全く別の仕事の部署に転属させられるとか、突然会社をクビになるとかということに近しい。

だからアスリートの人生、リセットボタンなのだ、と。

これもいい企画だなと思う。
中身は未だ読んでいないからわからないけど、企画だけは素晴らしいと思う。
このまま読み進めてみたい。

ところで、前書きでは、「今、私たちは、有史以来、誰も経験したことがない「未曾有の時代」を生きています。」と書いているが、20世紀前半までは、戦争、飢餓、疫病で寿命を全うすることは困難だったわけで、いつ死ぬかわからない。親よりも子供の方が先に死んでもおかしくないという時代だった。これらを20世紀後半から人類は克服した結果として、長生きと、社会保障の設計が狂ってしまった時代に生きているわけだ。これを嘆くなら、早死が普通の時代に生きている方が幸せだということか?そうではないだろう。
だからある意味、長生きするという代償としての、仕事人生の延長と経済的な憂いを感じているというわけだ。「有史以来の未曽有の時代」を嘆く必要はない。

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posted by しもす at 21:16| Comment(0) | 読書

2021年06月25日

あなたの知らないあなたの強み

『あなたの知らないあなたの強み』古野俊幸

面白かった。企画の勝利という感じの本である。
これまで散々出尽くした性格分析や行動論に、宇宙兄弟のキャラクターをミックスして、お届けする。
漫画読者にはすっと入って、共感も得やすい。

素晴らしい企画だ。
組織と人間関係、社会人新人にも読めるし、部下を持った上司に向けたメッセージも豊富。
幅の広い読者層から共感を得られること間違いなし。

強いリーダーシップを目指すというのではなく、個性を生かす。
自分ひとりで頑張るのではなく、チームで成果を上げる。
「あるべき」姿に自分を改造する努力は不要、あるがままの個性と、周りの人間と協調することで結果を出す。

保全型は日本人に多い性格だから、心配しないでいい。
そういう人は同じ保全型とどのように付き合うか、どこで打ち解け、どこで対立しやすくなるのか。
拡散型や弁別型の上司はどう扱うべきか。

本当にわかりやすい。

ちなみに私自信は、保全型が第一因子で、受容性や弁別性も高い。
行動だけ見ると表面的には拡散型と見なされるかもしれないが、保全型としての回転が速いので、準備期間が短いだけ。
得な性格なんだと思う。



posted by しもす at 00:00| Comment(0) | 読書

2021年06月23日

安いニッポン

これは最近出た本のタイトルである。今は江東区図書館の順番待ちで回ってくるのはは8ー9カ月後くらいになりそう。
今日は、個人的な実感としての「安いニッポン」論というところか。

これを実感したのは2017年にメルボルンに引っ越した時のこと。
とにかく外食費が非常に高い。当時は1オーストラリアドルが90円くらいの円安だったから特に。
サンドイッチが5−6ドルくらい。日本だと300円くらいのものか。
夕食もパスタが30ドル。ステーキは40ドル以上。
まつや、はなまる、サイゼリアの類のファーストフードやチェーン店はない。
ランチが最低でもハンバーガーと飲みのもで10ドル。

1999年にシドニーに2度出張したが、その時の感覚は、食事代でも何でも安いなということ。
それからオーストラリアは毎年経済成長し続け、物価はすこしずつ上昇来ている。
物価が上がっても給与や資産の価値が上がっているので生活には問題はない。
例えば、フリーランスの中堅エンジニアの収入は、日本ではせいぜい700-800万円程度だろうか。
Web制作などを受託で行っている場合であれば、もっと安くなる。
ところがメルボルンでは1500万〜2000万くらいになる。日本の倍以上。
これだと物価が倍でも問題ない。

また、不動産は年々上昇し、私の職場の人でも2軒持っている人はざら。
自宅に招待してもらったことがあるが、広さが半端ではなく日本だと2億円以上はするだろうという代物だった。
20年以上も前に購入した不動産は年々上昇し、売っても貸しても収益をもたらす。

一方日本はバブル崩壊後、30年間で株価は当時の7割程度。土地の値段も下がる。
その間、非正規雇用が増え、労働賃金は上がらず、お陰で企業の業績は持ち直したものの、価格転嫁できずにいる。
中国や東南アジアからは安いモノがどんどん輸入され、100円ショップ、ファーストフード。
スマホがあれば娯楽は要らないという若者も増えた。

日本はモノが安いので、平均年収が450万くらいでも厳しいがなんとか生活はしていける。
ところがここへ来て、少しずつ変調の兆しがある。
以前のユニクロはmade in Chinaが大半であったが、最近はベトナム、カンボジアなどさらに安い新興国で生産されている。それらの国々でも労働賃金は上がっていくだろう。
また最近中国から輸入される食品がすこしずつ値上げされている。
世界的な資源不足で、資源の輸入価格が上がっている。
これはもう、販売価格に転嫁するしかない。

日経新聞にネットフリックスが為替を考慮した、世界同時価格値上げのニュースが載っていた。
日本で値上げがあったのは3月だからホットな話題ではなく、グローバル価格を適応されると、日本の値上げ幅が大きくなるという記事である。

メルボルンに住んでいる時に契約したネットフリックスは9.9ドルだから、当時で750円程度。
日本では990円だったから、日本に戻ってきても契約を据え置いた。そう、別にそれで構わないのだ。
ところがオーストラリアが先に値上げになり、日本契約に切り替えた。2百円程度の差額なんだが。
予想はしてたけど、その後2か月くらいで日本も値上げされた。
日本の値上げは他の先進国の中で一番の1.5倍であったという。

為替を考慮した世界均一価格だから、もうどこで契約してても同じである。

安いニッポンの紹介文では、マックやディズニーランドの入場料は日本は安いそうである。
マック、ディズニーランドの場合、土地代、人件費、材料費などは国によって違うため、販売価格が安くなるということはあり得る。

ところが、輸入品の値段が上がり、ネット企業が世界同一価格になった場合、物価は上昇する。
すると、低賃金で満足していた多くのニッポン国民が経済難民となる。数年後の世界である。


posted by しもす at 00:00| Comment(0) | 読書