2022年03月02日

最悪の予感 マイケル・ルイス(その4)

最悪の予感 マイケル・ルイス(その3)続き

起きるべきいリスクに対して、リソースを割り当て、リスクを回避するというのは、ITプロジェクトでも同様だ。
ITプロジェクトは不測の要素が大きい。また緻密な工程が存在するわけではなく、属人的な要素やソフトウェアそのものが不安定なため、あらゆる場面でトラブルが発生する。一旦トラブルが発生するとスケジュールは大きく狂うし、コストは嵩む。
もともとスケジュールやコストはあまり余裕を持たせていないので、トラブルをリカバリーすることは計画に含まれていない。

もともとギリギリのリソースとスケジュールで進めている、ITプロジェクトに対して、リスクをヘッジするためにリソースを費やすことは非常に困難な判断を伴う。トラブっていれば、そこにリソースを費やすことには誰でも賛同する。ただし、将来起こるかもしれない、障害をヘッジするためのコストはなかなか認めてもらえない。そのための標準的な判断基準も、IT業界にはない。(いろいろな書籍はあるが、実際に運用することは困難)

どんな平易はプロジェクトにも、それなりの規模であれば、落とし穴はあるから、将来を予測できない、レベルの低いプロジェクト・マネージャが統括する場合、ほとんどトラブル・プロジェクトになる。ところが、優秀なプロジェクト・マネージャであれば、将来を予測し、リスク・ヘッジする対応を細かいレベルで行っているので、トラブルは起きにくいし、起きても最小限に抑えることができる。
逆に、「簡単なプロジェクト」だった、「彼・彼女は運が良い」と思われることすらある。

中国のある名医の話。

古代中国に扁鵲(へんじゃく)という伝説的な名医がいました。扁鵲は3人兄弟の末っ子で、長兄と次兄も医者でした。ある日、魏の文王が扁鵲に「3人の中で誰が1番の名医か?」と聞きました。すると、扁鵲は「1番は長兄、2番が次兄、私は1番下手です」と答えました。次に、文王は「では、なぜ上の2人は有名ではないのか?」と聞きました。すると、扁鵲が非常に面白い返答をしました。要約すると次のようになります。

自分(扁鵲)は病気が重くなってから治します。患者は苦しみ家族も心配しています。そんな中で、鍼や薬や手術で治します。ですから、私はすごいと思われて有名なのです。次兄は、患者が病気にかかり始めたとき治してしまいます。症状も少なく患者も苦しくありません。ですから、次兄は軽い病気を治すのが得意だと思われています。長兄は、症状が出る前に、患者本人も病気だと気づかないうちに治してしまいます。ですから、彼は人々から認められず、わが家の中でだけ尊敬されています。





posted by しもす at 06:07| Comment(0) | 読書
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